エアコンの交換に関する豆知識
エアコンの取り付けや交換の際には、さまざまな施工が行われますが、具体的にどのような工事でどのような意味があるのか、素人には分かりにくいものです。
エアコン取り付け工事の現場で突然、業者に「必須ではないがやっておく方がいい」と有料の追加工事を勧められても、本当に必要な工事なのか迷うこともあるでしょう。
断ってから、施工終了後にやはり有益な工事だったと知り、後悔したという話もときに聞きます。
ここではエアコン交換、取り付け工事の際、行われる工事が本当に有益か理解するための豆知識を解説します。
ボードアンカー
まずはボードアンカーについての豆知識です。エアコン室内機は何畳用の製品かにもよりますが、平均的なもので12キロから18キロと非常に重いものです。
さらに安定して稼動させるため上下左右の余裕が必要なこと、室外機の位置などの条件で、室内で設置できる場所にも制約が出てきます。
そのため適切な場所に設置するにも、さまざまな工夫が必要になります。
通常、エアコン室内機の設置や交換は、下地に木材が通っているところにビスで据付版を固定して行うのが理想的ですが、必ずしも都合のいい設置場所があるとは限りません。
特に石膏ボードの壁に直接ビスを打ち込んでも、すぐに崩れて抜けてしまうため、とても重いエアコンを支えられるものではありません。
そこで石膏などのもろい素材にビスを固定するため必要なのがボードアンカーです。
種類はいろいろありますが、主に樹脂製で四方向に広がる、大ぶりなビス状の形をしたものです。
石膏ボードにビスを打ち込みたい場合、ビスを打ち込む場所にあらかじめボードアンカーを打ちこんでおきます。
このボードアンカーにねじ込む形でビスを閉めることにより、もろい石膏ボードにもエアコン室内機をしっかり設置できるぐらい、きっちりとビスを固定できるようになるのです。
配管の断熱
ここではエアコン配管の豆知識を解説します。
エアコンの室外機と室内機をつなぐ配管は、冷媒を循環させるための二本の冷媒管(ペアコイル)になります。
冷房の場合、この冷媒が室内機を通じて室内の空気から熱を奪い、室外機に送られます。
室外機では熱交換器により冷媒の熱を外部に放出し、冷えた冷媒を再び室内機に送り返します。
この循環で冷房が働きます。このため冷媒管には、安価ながら強靭で曲げやすく錆びにくい銅管が主に用いられます。
しかし銅は熱伝導率が高いため、銅管を保護しつつ冷媒の温度を保って冷暖房効率を高めるため、断熱材や保護材で覆う必要があります。
そのため通常の冷媒管は、銅管をスポンジなどで覆う構造になっています。
配管では室内機から冷媒管とドレン管をまとめて配管ホースで覆って壁の外に出し、冷媒管は室外機と接続して、ドレン管の先は適切な排水場所に出します。
配管の大半は屋外になるため紫外線などで劣化しやすく、通常は配管ホースの上からさらに化粧テープで丁寧に巻き、劣化を防止します。
しかし通常の配管ホースや化粧テープでは歳月でいずれ劣化し、冷媒管の断熱材も劣化するため交換が必要になります。
劣化を防ぐ方法には、配管ホースの上に化粧カバーを装着する、配管ホースを耐劣化の品にするなどの方法があります。
真空引き
「真空引き」についての豆知識は、エアコンを正常に稼動させる上で極めて重要なものになります。
本来、エアコン室外機と室内機、配管の内部は、冷媒ガスとオイルだけが循環する状態でなくてはなりません。
しかしエアコンの設置時、どうしてもエアコン内部に空気が入ってしまうことは避けられません。
もし空気が入ったままエアコンを稼動させると、配管内で空気中の水分が凍りついて冷媒回路をふさいでしまい、冷房や暖房が効かなくなります。
さらには不純物が凍ってエアコン内部を傷つけ、故障の原因にもなり得ます。
このようなトラブルを防ぐため、エアコン設置時に必ず行っておくべき重要な作業が真空引きです。
具体的には、エアコンの室内機と室外機の配管を終えた後、真空ポンプとゲージマニホールドを用いて、エアコン内部の真空度を計測しつつ、15分程度かけて真空ポンプでエアコン内部の空気を吸い出していく作業になります。
通常はこの真空引きを行うことで、エアコン内の空気はほとんど除去されて正常に稼動するようになりますが、状況によって一時間程度かけて行う真空乾燥という方法もあります。
かつてはエアコン内のガスをわずかに放出させて空気を追い出すエアパージという方法もありましたが、これでは完全に空気を除去できない上にエアコンの機能も低下するため、現在ではエアコンの標準工事に真空引きを含む業者も多くなっています。
まとめ
エアコン取り付けの仕組みが理解できれば、エアコン交換工事での工程の必要性も理解しやすくなります。
標準工事に真空引きが含まれるかなど、施工の丁寧さから考えて優良な業者を選ぶこともできます。
また別途費用が必要な追加工事に関しても、コストパフォーマンスを考慮して必要なものを選ぶことができます。
エアコンの取り付けや交換を考えておられる方は、エアコン工事に関するいろいろな豆知識を知っておくと、業者選びから施工まで、適切な判断ができるようになります。
No.c-292
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